「Strange Neighbors」
第3回目のゲストは、昨年より一緒にライブを行っている、田中拡邦さんです。
|
 |
<お互いを知ったキッカケ> 青山(以下A):僕が初めて田中君を知ったのは、最初は『喫茶ロック』のオムニバスに入っていた「春雨道中」で。
田中(以下T):はいはい、あれ随分前ですよね、もう。
A:あれを聴いて、なんか凄い奴がいるなぁと思ったんですけど、実際全然顔もわかんないし、けっこう歳いってる人だと思ったのね。
T:(笑)
A:何だかベテランの風格が最初からあってビックリしちゃったんですけど。その後、CS放送のどっかの番組でジェシー・ハリスと一緒にやっているライヴを観まして。
T:あ〜!はいはいはい。ありました、ありました。
A:あったでしょ?下北沢ラカーニャでね。ノラ・ジョーンズで大ヒットした曲作った人だよね?
T:「Don't Know Why」ですね。
A:で初めて顔見て、こんな若者なんだ…と思って、ビックリしました(笑)すげーギター上手いし。一緒にセッションもしてたよね?
T:しました。「Don't Know Why」も演りましたね。あの時は、ジェシーさんが日本でデビューするっていうことで、一緒に演ってくれる人を探してる時に、いろんな雑誌を見て参考にしていたらしんですけど、その見ていたいくつかの雑誌にたまたま僕らが全部同じように出てたらしくて。それでもしかしたら、音楽性が近いんじゃないか?みたいなことを思ったらしくて(笑)
A:出ているからって音楽性が近いと思ったって思うのもすごいね(笑)聴いてもらったとかそういうわけでもないの?
T:その後、聴いたんじゃないですかね。あれは…もうすごい前。2年か3年ぐらい前ですね。
A:なんだ、そんな前じゃないじゃないですか(笑)
T:そうですか?
A:ちかごろ2年とか3年前ぐらいは最近だと思っちゃうんだよ。田中くんを知ったのはそういうキッカケです、僕は(笑)
T:僕が青山さんを知ったのは『怪しい隣人』に呼んで貰ったときで。
A:そうでしたね。あれは2005年の10月だから、まだ1年ぐらいしか経ってないね。こっちは4人組で、MAMALAID RAGと同じ編成で。我々はMAMALAID RAGの演奏を聴きながら楽屋で「すごく音が良いなあ」とかいう話をずっとしてて。
T:あ、そうだったんですか。
A:あとMC面白かった。2人のやり取りが。でも、楽屋に帰ってきて2人で話してると、もろ佐賀弁になっちゃう。何言ってるのか、全然わかんなくて。ステージで標準語喋っていたのに急に変わるから…そのギャップに面食らいました(笑)。
T:あ〜そうなんです。よくね「2カ国語を話せるね」って言われるんですよ。
A:福岡弁とはまた違うもんね?
T:違いますね。この間、ちょっと福岡に行って来たんですけど全然違いますね。長崎も違うし。青山さんは長野でしたね。長野の言葉はどんな感じですか?
A:ん〜…どういうのが長野弁かと言われても、すぐに説明できないんだけど、ちょっと東北弁っぽいとこもあるし。
T:でも、青山さんは東京の人っぽく見えます。
A:そうですかね?まあ東京に出てきて25年くらい経つけど、自分ではいつまで経ってもあか抜けないと思ってるんだけど(笑)。
T:僕も東京の人じゃないかと言われるんですけど、「佐賀です」と言うと「全く佐賀っぽくない」って言われて、佐賀っていうのはどういうイメージなのかな?って。
|
 | <佐賀の音楽シーン>
A:佐賀ってどんな所なんですか?
T:すごく田舎ですね。宮崎も田舎なんですけど、九州でも最も田舎の方です。平野で、ちょっとデルタっぽいんですよ(笑)。有明海っていうのが近くにあって、そこが潟の海なんですよ、砂浜ではなくて。 |
だからちょっと漁師の人たちの文化があるので、非常に排他的で暗いとこがあったり。長崎と福岡はお隣なんですけど明るいんですよね。佐賀はどうもそういうイメージで。だからたぶん、それでシティポップスみたいなことを演るもんだから「イメージ違う」って言われるのかも。
A:でも逆に東京の人の方が東京ローカルを打ち出そうとしてるような気もする。地方出身者のほうがむしろソフィスティケイトされた音楽をやりがちっていうんですか。そんな気がしない?
T:そうかもしれないですね。でも最初ちょっとコンプレックスでしたよね。東京の人たち、例えばはっぴぃえんどの方々なんかは洗練された感じですし。
A:地元ではどんな風に情報を得てたの?
T:僕の住んでる街が昔から音楽とか、習い事が盛んだったらしいんですけど、その名残かどうかわからないんですけど今でもバンドが盛んで。上下関係が続いているんですよね。1番上の人が大人で下は中学生で…みんな知り合いで教えてもらったり、楽器貸したり。そこで「古い音楽を演るのがカッコイイ」っていうのがあって。それで古いのを色々聴いてた感じですね。
A:でも回りの友達とかは、田中君の世代のリアルタイムだと何だろう? オアシスとか、そういうのを聴いたりしてなかったの?
T:ハイ・スタンダードは流行ってました。あとジュディ&マリー、イエロー・モンキーとかかな。でも僕は全く聴かなかったです。回りの大人がみんなイーグルスとか、ビートルズとかだから、そういうものが自然に入ってきてて。そうやってみんなが知らない古いのを見つけてきて競い合って演ってたんですけど、分岐点だったのが、僕がたまたま、はっぴぃえんどを見つけて。それは自分たちなりの「発見」で、「僕らしか知らない」って思ってたんですよ。実際は90年代とかリバイバルで凄かったんですよね? 特に東京ではいわゆる渋谷系と言われてたものとかあったし。
A:あ〜、その時代かあ。
T:僕は高校が95〜97年なんですけど、そういうのは一切入ってこなくて知らなかったんです。で、はっぴぃえんどをみんなに聴かせたら「なんかあんまり好きじゃない」って言われちゃって(笑)。で、数少ない好きだと思った2人が僕とママレイド・ラグのもう1人の江口だったっていう。
A:はっぴぃえんどを発見するまでは70年代のロックとかのコピーを演ってたの?
T:それまではクリームとか。そういえば青山さんともやりましたよね。"I'm So Glad"とか。
A:そうだったね。ってことはママラグって最初は普通にバンドだったんだね。
T:トリオです。完全にクリームの感じですね(笑)。だから僕もたぶん、青山さんとちょっと似てて、唄いながらソロにいくのが結構慣れてる…そういう所で凄い似てるんじゃないかな?って時々思うんですけど。いいとこもあって悪いところもあるんですけど。あまりバッキングに集中してなかったり(笑)。でも歌い終わってソロ弾き始めるというのが当たり前っていうか。
A:そういうところはあるかもしれないね。
T:トリオバンドはベースやドラムの人が唄わない限り、歌もソロも全部やんなきゃいけない…。とにかく演奏がメインのバンドだったんです。
A:長〜いインプロピゼーションがあったりとか?。
T:もう高校の時はそればっかりで。だから今はその手にはもうあまり興味が無いんですよ…。
A:もう沢山やっちゃったんだね〜。でも僕も長いギターソロいやだなあと思ってた時期が結構長かったんだけど、90年代の後半ぐらいに突然復活して来ちゃったんですよ、長〜いソロのブームが(笑)。だからきっと田中くんもそのうち戻るんじゃないかな?って気がするんだけど。あれだけウマイんだから。
|
<はっぴいえんどチルドレンって?>
T:青山さんたちは、割とはっぴいえんどチルドレン世代ですよね?
A:直属なのはもうちょっと上の世代じゃないかな。10代の頃ははっぴいえんどなんて言ってる人はいなかったな。でも個人的には、20歳前後に付き合ってた女の子が大の細野晴臣ファンだったのね(笑)。 |  |
はっぴいえんどとか細野さんのソロアルバムとか沢山持ってて。それで色々聴かせてもらって。たまたま自分はそういうことで知ったけど、あまり世の中にはっぴいえんど的なものが流れてるっていうムードじゃなかった。80年代の前半。やっぱりYMOが「ガーン!」ときてたし。
T:85年の再結成は?
A:はいはい、よく覚えてますよ。ラジオか何かで流してたの聴いて…「何だこれ?打ち込みじゃん。こんなのはっぴいえんどじゃない…」とか思った(笑)。
T:全部メドレーになってるやつですよね。
A:そうそう。当時そういうのが新しかったからね。何でもかんでも打ち込みでやって。レコーディングでもキックの音を作るのに1日かけたとか、制作に時間とお金かけるほうが偉いみたいな(笑)そんな風潮もあったし。でも、はっぴいえんども一般的な再評価って結構最近じゃない?90年代の半ばぐらいじゃないですかね?そんな気がするんだけど。
T:そうですよね、その後はいろんなトリビュートとか再発CDも出て。
A:でも田中くんなんかは、あまり「はっぴいえんどフォロワー」とか言われるのも…嫌じゃない?
T:それが全然嫌じゃないんですよ(笑)。逆にみんなに心配されるんです。はっぴいえんどすごく好きだったんで。
A:そうなの? 案外そこら辺ひねくれていないんだねえ(笑)。
T:意外とストレートなんです(笑)。
A:そこへいくと我々の世代はとにかくひねくれてる人が多い気がしてて。自分もそうだけど、人がああ言えば「いや違う!」みたいなのが習慣になってて、どうも性格悪い奴も多い(笑)。今の田中君ぐらいの世代の人ってみんな素直な感じがするよね、比較的。
T:僕らなんかからは、はっぴいえんどの時代の跡形も見えないからじゃないですかね。もう完全に伝説化してるから。
A:そうなのか〜。例えばさ、80年代ぐらいの頃ってニューウェーブの時代で、わかります?パンク、ニューウェーブの時代。
T:はいはいはい(笑)。
A:あの頃「それを通った人」と「通ってない人」で二つに分かれるみたい感じがあって。それで結構出てくる音楽の雰囲気が違ったりしてたんだけど(笑)あんまりそういうのもないよね?パンクとかニューウェーブとかってどういうイメージですか?
T:90年代は、そのパンクじゃないですけど形を変えてハードコア的なものはすごく蔓延してたんですよ。ハードコア全盛で、どっちかっていうと自分たちと関係ない音楽…っていうイメージで。全然触れてないです。
A:例えば、ポップなところでXTCとか聴かなかった?
T:あ〜、あんまり聴かないですね。僕も80年代の音楽に対応する嫌悪感ってのは一時期凄くあって、もうあのゲートドラムのイントロでもう聴きたくなくなっちゃうみたいな。でも最近はだんだん許容範囲が広くなってきたし、時代の空気が変わってきて、今聴くと凄いカッコイイなぁと思うものもありますね。YMOたまに聴いたりして「いいなぁ」って。
<それぞれの世代の音楽観>
T:青山さんはライヴを聴いているとプログレッシブな所が入っていますよね?やっぱり時代的なものなんですかね。
|
 | A:昔はプログレ系は全然ダメだったんだよね。実は最初にいわゆる「ロック」のアルバムに触れたのは、知人が貸してくれたディープ・パープルとかイエスとかのレコードだったんだけど、聴いても全然わかんなかった(笑)。 |
T:時代的に言うとやっぱりその辺なんですね。
A:そうそう。70年代の後半ぐらいだからハードロック全盛。洋楽でみんなが聴いてたのはやっぱりディープ・パープルにレッド・ツェッペリン、キッス、クイーン、あとエアロスミスとかですよ。
T:もうちょっとでヴァン・ヘイレンですよね。
A:そうだね。その辺も出始めの頃だった。でもね、そういう流行っているやつが全然ダメだったから。
T:どっちかっていうとやっぱり60年代?
A:60年代っていうか、70年代の前半くらいの感じに憧れていて。レイドバックしちゃってる頃のエリック・クラプトンとか。クラプトンがアメリカ行ったぐらいの頃の感じが好きだったんだけど、中高生には全然人気なかったねえ…。三大ギタリストと言われてたけど、ジェフ・ベックとかジミー・ペイジ的な派手さとは程遠いし。
T:そうなんですかぁ。
A:3人だったらクラプトンじゃなくてリッチー・ブラックモアのほうが相応しくない?みたいな…そういう風潮。クラプトンは90年代に入ってからやっと一般的な人気が出てきた気がするよね。
T:やっぱり『アンプラグド』ですね。僕なんか青山さんの音楽とかプレイとか聴いていると、思うのは、やっぱりこう同じ世代の人たちの共通の感じって、あるなぁと思いますね。僕、佐橋佳幸さんと演ったことがあるんですけど、あの人なんかにもその感じがありました。高野寛さんとかも、青山さんと同世代ですよね。なんかこうコンテンポラリーな。
A:コンテンポラリー?でも田中君もコンテンポラリーだよね、どっちかっていうと。
T:そうですか?(笑)僕、全然そういう、つもりはないんですけどね。
A:でもいわゆるジャズ的なコードなんかも使うでしょ?
T:ええ、興味はありましたけどね。でも僕から見るとそういう凄いソフィスティケイトされたサウンドってのは出来ないんですよ。
A:そうかなぁ?
T:ええ。そこがね、青山さんの羨ましいところなんですよね。
A::ママラグはものすごくソフィスティケイトされたサウンドに聴こえるんですけど。
T:そうですか?
A:洗練されたっていう意味で言えば、ママラグはあまり無駄な音は入れないじゃない?でも確実にあるべき音が入ってるって感じだから、とても洗練されてる感じはあるよ。何かこう直感的にわかっちゃうんだろうな思って。僕らなんか凄く苦労して苦労してやっとわかってきたものが、最初から出来てる感があって驚いちゃう。あとやっぱり田中くんはアナログ機材が好きでしょ?
T:はい。
A:ところがどっちかっていうと我々世代ってちょっと新しい物好きっていうか、意外とデジタル世代なんですよ(笑)
T:あ〜わかります。それが1番もてはやされてた頃ですもんね。
A:そうそうそう、デジタルが有り難いっていう感じだったから、だからあまりにもアナログに戻るような風潮がね、アナログの音自体は好きなんだけど。どうももろ手で賛同できないところもあって(笑)
T:おっしゃるとおりで、80年代までは、たぶんデジタルはとにかく良い悪いっていう以前に面白いっていう時代だったんじゃないかと思うんです。
A:そうだね。イミュレーターとか、シンクラヴィアとかそういうサンプラーのハシリみたいなやつが出始めた頃。
T:僕らは90年代が高校生だったから、僕らの世代のミュージシャンってたぶんみんな「やっぱりアナログがいい」って言う時代の始まりなんですよね。色々突き詰めて色々やってて最近思うのは、僕らデジタルもアナログも、どちらもリアルタイムで経験してない初めての世代で。だから今、両方とも一生懸命勉強してますよ。90年代からは、どちらもちょっとずつ良いとこどりの感覚ですから、きっと凄い贅沢なんですよね。
A:今から始める若い人は、選択肢が色々あって単純に羨ましいですよ。打ち込みとかはあんまりやらない?
T:少しはやりますけど、そんなこうノリを細かく調整してとかはやってないです。
A:田中くんはドラムも上手いから自分で叩いたほうがいいもんね〜(笑)。
T:いやいや〜(笑)。
A:今のママレイドラグはわりと70年代的な、音像とかもそうだし。そういう感じじゃないですか。アナログ的なね。これからもこういう音楽性をキープしようとは思っている?
T:いや。全然こだわってるわけでもないです。時代的にも「懐かしい感じはもう飽きたなぁ」って感じは少しありますけどね。どうなんでしょうね?
A:それはね、僕も感じることありますよ。
T:半年ぐらい、1年ぐらい前まではまだ、「またこういう感じかぁ」って感じだったんですけど。もうここ1年ぐらいは「もうちょっといいな。」ってそういうのを聴くと…そういう感覚が嫌悪感に変わりつつあるというか(笑)。自分でもすごい感覚の変化が早いなぁと思いましたね。1年ぐらい前まではまだ我慢はまだ出来たんですけど、変わっちゃってるんだなぁ…って。さっきも出ましたけどYMOのあのスネアの「カーン!」っていうのが最近気持ち良くなったり(笑)
A:そうだね、今まではあまりシンセとか使ってなかった?
T:使ってないですね。未知の世界です。でもすごい興味ありますけどね。シンセっていうと、ちょっと違いますけどストリングス・アンサンブル。ソリーナですね。それ結構レコーディングで使ってましたよ。あれも良い音するんですよね。
A:ヴィンテージ機材もたくさん持ってるよねえ?
T:ソリーナはレンタルだったですけど、ローズなんかは持ってます。あと、録音機材はそんな高価なやつじゃないですけどマイクアンプとか、コンプレッサーとか。でも部屋がもう電磁波ですごいんじゃないかなあ。
A:電磁波?。
T:前に秋葉原に機材というかパーツを買いに行ったら、電磁波測定マシーンっていうのが売ってて。電磁波がどれぐらい出てるかっていうのがこう「ピピピピ」って反応する。それを買って帰ろうと思ったんですけど…。
A:買ってきて測った?
T:いや…それ多いってわかったところで、どうしようもないからやめたんですけど。ショック受けるだけだから(笑)。
A:電磁波が多いとどうなっちゃうのかな?人間が。よくいろんなこと言われるけど。
T:携帯電話とかもよく言われてますよね。
A:パソコンとかもね。あ、あんまりコンピューターなんかには興味はないんですか?
T:全然、ダメですね。興味はあるんですけど、全然詳しくないですね。
A:なんかそっちに行きそうな感じもあるけど。自作しちゃったりとか(笑)
T:いや〜、コンピューターはね、ダメなんですよね。電気系と違うじゃないですか。インターネットが便利だからパソコン使ってるってだけですね。
A:でも、録音とかは今やどうしても、使わないわけにはいかないでしょ。
T:そうですね。もちろんPro Toolsは便利ですね。でも、使い方が難しいですね。何でもそうなんですけど、便利な分、使う方の技術が要求されるというか…インターネットでも何でも。
A:確かに。なんでもできちゃうしね。マニュアルとかちゃんと読む方ですか?
T:どっちかっていうとちゃんと読むほうですけど、でもMIDI系のマニュアルなんかは多すぎて…辛いですよね。
|
 |
<やっぱりギター談義>
A:遡りますけど、ギター始めたキッカケは何だったの?
T:音楽は好きだったんですけど、ギターは始める勇気がなくて。まだ一応、まぁ田舎だったからかもしれないですけど。エレキギターはちょっと不良のイメージで。
|
A:でもそういうこと言われてたのって60年代の話じゃない?(笑)
T:イコール、不良とかじゃないんですけど。なんとなくエレキっていう響きが悪いことをしているような。僕も親から「クラシックならいい」って言われましたもん。でも、レスポールをもらっちゃったんです。
A:ええっ? レスポールくれる人がいるんだ。太っ腹の人がいるねえ。ギブソンの?
T:いや、ESPのオーダーメイドみたいなやつ。ランディー・ローズ・モデルっぽいヤツでした。で、一生懸命練習しましたね。最初は「スタンド・バイ・ミー」のコード進行をコピーして、そういうのばっかり。小学校の高学年から音楽を真面目に聴き始めて。オールディーズのヒット曲集みたいなのを聴いてたんですけれど。「アンチェインド・メロディー」とか。あとサム・クックのとか、だぶんそういうのが延々と入ったやつ。何が何だかわからず。
A:ほおお〜、マセてますね(笑)。
T:小学校の時に『スタンド・バイ・ミー』っていう映画があって。ベン E.キングのあの曲が好きになって、それを探してたらたまたま叔父の家にCD棚にあったんです。だぶん、50〜60年代のヒット曲集だったんです。
A:最初からやっぱりCD棚なんだねえ〜(笑)
T:そうです、もうCDだったんですよね。
A:でも、そのへんはあんまりギターの音楽っていう感じではないよね?
T:いわゆる…そうですね。ギターに興味を持ったのは、エリック・クラプトンを聴いてからです。ビートルズの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」のクラプトンのソロを聴いてギターが本当に泣いてるようだなって思って。あれちょっとコーラスがかかってるんですけどね。
A:そうだよね、変な音だなぁと思ったよね。
T:あの音…全然出なくて、延々あの音出せるように練習してましたね(笑)
A:エフェクターを使えばいいんだみたいな知識はなかったの?
T:全然わかんなくて。その存在すら知らなくて。そんな感じで最初はレスポールだったんですけど、途中からフェンダーになりましたね。
A:唄いながら弾くのはやっぱり、フェンダーの方が向いてる気がしない?
T:レスポールなんかのハムバッキングのギターだと、コードを弾いた時に、ちょっとこう「もさっ」としちゃうっていうのはありますよね。
A:あ、でも最近初めて59年のレスポールっていうのを弾かせてもらったんだよ。これが意外にトレブリーっていうか、ピックアップも少しへたってるのかもしれないけど、あんまり低音が「ボーン」っていう感じじゃなくて。ライトなイメージだったの。オールドギターとかはやっぱり興味がある?
T:ありますけどね、お金が…かかりますよね。でも僕もES-335の67年のやつ持ってるんですけど。
A:おおお、すごい。
T:持ってるんですけど、それもそうなんですけど、特に機材は面白いのは、古いのは凄くハイファイなんですよね。イメージだと、ちょっとナローなイメージがあるんですけど。凄くハイファイ。
A:レンジが広いってこと?
T:というか、倍音がやっぱり多いんじゃないですかね、たぶん。
A:そうかぁ。でもね、オールドギターも結局、CDの中の音になっちゃうと思うと(笑)
T:そうですよね。
A:特に音楽性には影響ないわけです(笑)。自分の満足度の問題というか。
T:そうですよね。Charさんなんかは、オールドギターは絶対使わないっていう話ですよ。全部いつも新品で。
|
<なんだかんだと音楽談義はつづく>
A:あんまりインストものを聴いたりとかしないタイプですか?
T:インスト?僕ね、クルセイダーズが大好きなんですよ。
A:おっ、クルセイダーズかあ。いいですよね!(笑)
T:あとスタッフ。
|  |
A:そうかあ。そこら辺もね、カッコイイと思うんだけど。また世代の話になっちゃうけど、さっきのニューウェーブとパンクの話と同じで「フュージョン」って言葉がありまして。これがまた1つの分かれ道みたいになってる。
T:クロスオーバーか、否か…(笑)。
A:フュージョンはダメだけとクロスオーバーなら許せる、なんて話あったな(笑)。あとやっぱりパンク&ニューウェーブ系とジャズ&フュージョン系でシーンが分かれていったりねえ。クルセイダーズは何が好き?
T:「ラプソディ&ブルース」
A:あ〜、あれ良いね。僕も好きだった。
T:1番好きですね。あれが絶対ベストアルバムだと、僕は信じてるんですけどね。
A:あの辺からクルセイダーズって、歌とかが入り始めてポップス化してきた感じはあるんだけど。
T:その前の「ストリート・ライフ」ですよね。あとマイケル・フランクスの1枚目、2枚目とかもバックはクルセイダーズですごい好きです。
A:あと僕は「ジャズ」がとれてからのファースト好きなんだよなぁ…。2枚組の。
T:もうラリー・カールトン居る時でしたっけ?
A:いたんじゃなかったかな。全曲じゃなかったと思うけど。
T:クルセイダーズで弾いてたギタリストでは僕ディーン・パークスが好きです。あの人譜面が読めないらしいですよ。全部自分用に、最初に書き直すらしいです。あとあの人は、レコーディングは、ブースごと機材持ってくるらしいんですよ。
A:えっ、ブースごと?
T:箱にアンプを入れてマイクも立ててあって、箱からケーブルが出てるらしいんですよ。それを卓に挿すだけ…。って話をレコーディングした人から聞きました。
A:へぇ〜。じゃあ1番好きなギタリストって誰?
T:う〜ん。1番好きなギタリストかぁ。誰っすかね…。
A:我々二人とも影響受けてるとは思うけど、エリック・クラプトンって1番好きなギタリストとは言い切れないじゃない?やっぱり。言い切れないじゃない?って強制するわけじゃないけど(笑)
T:(笑)ジョージ・ハリスンとか好きですけどね。
A:やっぱりああいう、歌う人が弾くギターがいいんだね?
T:歌わない人はあんまり好きじゃないかもしれないですね。
A:じゃあジェフ・ベックとかはそんなに聴かない?
T:あまり聴いてないです。あ〜でも「ブロウ・バイ・ブロウ」で毎朝、目覚めてる時期があって(笑)
A:変な人だなぁ(笑)。ってことはそんなに凄いテクニカルな人が好きなわけじゃない?
T:そうですね、僕もテクニック無いし(笑)
A:なにいってんの、そんなことはないでしょ〜。
T:こう、ヘタウマ系というんですか?そういう方が好きなのかも。クラプトンもヘタウマ、と言えばヘタウマなところあるじゃないですか。
A:確かに。でも田中くんはクラプトンのダメなところはちゃんとよけて(笑)すごくおいしい部分を知っているなぁって感じがするな。
T:あとやっぱり、鈴木茂さんは大好きですね。
<というわけで締めましょう>
T:次は12月25、26の大阪でライヴですね。
A:8月も一緒やって楽しかったし、今年はお互いそれぞれに何度かアコースティック・ライヴをやってきたと思うので、年末は、今年やったアコースティックものの集大成かな。新ネタなんかも投入してみたいと思いますが。
T:アコギだとソロ弾くときの音量とかでなかなか苦労したんで、そのへんも改善しつつ。
A:ゲストもいるし楽しくなりそうだね。年が明けて2月には我々また組んでツアーやりますが。
T:2月は、エレキですね?
A:バンド編成なのでここはエレキでいこうかと。ベースいない編成ですけど(笑)。
T:あ、キーボードの伊藤隆博さんが足鍵盤やるんですよね! 春に大阪で一緒だったときのあのオルガントリオは、江口がもう「すごい良かった」って言ってて。
A:あ、ほんと? これが独自の面白さが出るんで、ちょっと追求してみたいと思ってて。
T:音像がすっきりするみたいですね。また伊藤さんも上手いしなぁ。
A:田中くんの曲もこれでやろうと思っていて、今回はもう青山+田中ユニットみたいな雰囲気でいっちゃおうかと。うまくいったらこれバンドにしちゃったりする?
T:えっ?あ〜、そうですねえ〜。ははは。
A:東京と大阪では田中くんも大好きな鈴木茂さんのゲスト参加もあるし、名古屋ではGUIROっていう地元で人気のあるバンドが一緒ですよ。
T:楽しみですね〜。
A:頑張りましょう!
T:はい!
text by 清水瑠里子
edit by 青山陽一
<information>
Flowers Land presents「Root is One〜歌うギタリスト達の宴〜」開催!
★2/17(土) CLUB Que(東京) / 出演: 田中拡邦, 青山陽一, 鈴木茂
★2/25(日) シャングリラ(大阪) / 出演: 田中拡邦, 青山陽一, 鈴木茂
★2/26(月) TOKUZO(名古屋)/ 出演: 田中拡邦, 青山陽一 / Guest: GUIRO
「青山陽一×田中拡邦 Acoustic Live at Osaka 2DAYS」もお見逃し無く!
★12/25(月) at BANANA HALL / Guest:チョウ・ヒョンレ, 杉野清隆
★12/26(火) at BANANA HALL / Guest:キムスチョリ, 原田茶飯事
**詳しくは、Live Scheduleをご覧下さい**
|